YA読書クラブ ~本についておしゃべりしよう~

12歳から19歳までの、10代の本好きさんのための読書クラブです!

2009年発足の、10代の本好きさんのための読書クラブです!
東京都新宿区のポプラ社の絵本ルームをお借りして、若い読者さんのおしゃべりの会をやってます。
県外の方も区外の方も、初めましての人も、12歳から19歳までの本好きさんなら参加OKです!

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第八回読書会★報告 2011年5月14日実施 『ギヴァー 記憶を注ぐ者』

第8回読書会★報告

参加人数2名(14歳の女子)。大人スタッフ2名。合計4名で、本のお話をしました。

今回はこんなことを話し合いました♪  

流れ
1、ニックネームで、簡単な自己紹介。
2、テーマの本『ギヴァー 記憶を注ぐ者』、についてのトーク。
3、休憩。
4、みんなのおすすめ本の紹介。
5、本日の感想


★自己紹介では、「ニックネーム、学年、住んでいるところ、さいきんハマッている&はやっていること、もの」を話しました。

 さいきんハマッている&はやっていることは……? 
  バレエをしていて先日、「白鳥の湖」の四羽の白鳥の振りつけを習ったこと。 新学期はじまって、国語の問題集を早く解くことにもえて、今年は九日で終わらせたこと。 ゆずのライブに行ってきたこと。三年なので受験生と呼ばれるようになってしまい、塾の回数が増えて忙しくなったこと。囲碁将棋部から手芸部にかわったこと。家庭科の宿題で布絵本を作ること。 …などなど。

★『ギヴァー 記憶を注ぐ者』について

表紙をみても、どんな本だかわからない。読んだら、おもしろかった。 登場人物の名前が難しくて、覚えられなくて何度も紹介を見てしまった。 登場人物紹介がネタバレになっている。 読むうちにだんだん世界観がわかってきて、解放とか、レシーバーとか、言葉がわかってきた。平穏に描いてあるんだけど、どきどきするし、こわい。 レシーバー以外の人は、すべて決められていて、生きている。それって幸せなのかな。痛みを知らないままでいられるのなら、幸せなのかな。 寝る前に宇宙って何だろうって考えるのと同じように、この本を読んだあとには、記憶って何なんだろうって、考えてしまう。 主人公がこの世界を変えようとするのではなく、べつの世界を目指すところがおもしろかった。 当たり前と思っていることを帰ることが印象に残った。 不思議な本だと思った。だんだん世界が明かされていって、ストーリーはシンプルだけど、細かなところは複雑で、いつも読んでいる本とは違う楽しみがある。わたしたちは 選べる自由があると知っているから、選べないのがいやなのかな。 決められていると楽なことはある。選んだ人に責任を押し付けられるし。自分の将来のこととか悩まないで済むのがいいなって思ったことはあるけれど、やっぱり自分の自由にできるほうがいい。 痛みがあるから愛情を知れるのでは。だから生きてることを感じられる。この本からは、そんなメッセージを感じる。 学校でも制服や校則があるので、もしかしたらそれがない世界では、日本は窮屈に見えるかも。 ギバーの世界と日本の世界は似てるかも。規律があるほうがいいこともある。 気持ちを乱されることがない世界や色のない世界は、あじけないなと感じる。人生の味気なさってそういうことかもしれない。一度知ってしまうともう戻れないよね。 「解放」の儀式ってどう? 自転車に乗る年齢が遅すぎない? でもみんなこっそり練習しているところがいいよね。本の中の世界と日本のわたしたちの世界、 どっちの世界が幸せだろう。 読んだ後で、田中芳樹の「銀河英雄伝説」を思い出した。 システムの中にいて楽をして考えないと、世の中はよくなっていかないんじゃないかとか。 高校の授業で差別を考えたとき、差別を知らないでいたら差別は消えるのじゃないかと言った子がいた反面、歴史を学ぶことは必要で、知らなければ繰り返してしまうから知っておかなきゃいけないと言った子がいた。そういう話もこの物語は含まれているのかな。この本は、いくらでも矛盾はつっこめるよね。 ザ・ギバーがみんなに知ろうよっていえば、変えられるんじゃないかな。 儀式と言えば、日本には14歳の立志式というものがあるけど、やりましたか? 知らない。10歳のときに「二分の一成人式」はありました。 もしも自分が本の世界にいたら、自分はもう「解放」されているかも。 でも放送して注意する人がいるから気をつけているんじゃないかな。
…などなど。

★みんなのおすすめ本。
今回は自己紹介の逆回り順で、おすすめ本を紹介しあいました。
(ここでは、タイトルの50音順)

『新装版 江(ごう) 姫たちの戦国 上』 田渕久美子 日本放送出版協会
『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』 天野頌子 ポプラ文庫ピュアフル

大人スタッフのおすすめ本

『おれのおばさん 佐川光晴 集英社
ヒトラー・ユーゲントの若者たち―愛国心の名のもとに』 スーザン・キャンベル バートレッティ あすなろ書房
『みえない雲』 グードルン パウゼヴァング 小学館文庫
『ムーンレディの記憶』 E.L. カニグズバーグ 岩波書店
『勇気ってなんだろう』 江川紹子 岩波ジュニア新書

今回の大人スタッフは、モグタン(YA読書クラブ世話人)、ありりん(YA読書クラブ世話人)、の2名でした。

文責・梨屋アリエ