第21回読書会★報告 2014年8月2日実施 テーマ本『サクラ咲く』 辻村深月 著
第21回読書会★報告
参加人数4名(女子3男子1)。大人スタッフ2名。合計6名で、本のお話をしました。
今回はこんなことを話し合いました♪
流れ
1、ニックネームで、簡単な自己紹介。
2、テーマの本 『サクラ咲く』 辻村深月 著 についてのトーク。
3、休憩。
4、みんなのおすすめ本の紹介。
5、本日の感想
★自己紹介では、「ニックネーム、学年、住んでいるところ、さいきんハマッている&はやっていること、もの」を話しました。
さいきんハマッている&はやっていることは……?
受験生ということもあり、勉強をしなくてはいけないのですが、旅行に行きたいので、ガイドブックを見ています。函館に行きたい。
わたしも受験生なので、基本的に勉強しないといけない。 現実逃避かもしれないけど、最近本を読むようになりました。 昔はたくさん本を読んでいけれど、高校に入ってからあまり読んでなかった。高校生の出てくる話はいまのうちに読んでおいたほうが共感できるものがあるとおもうので、高校生のうちに読んでおきたいです。
読書が好き。物語系が好きです。大学生になってから、それまで受験で我慢していたぶん、爆発しています。
寝ること。これでいいのかと思うくらい寝ています。十時間くらい寝ている。
大人のコメントは……
池田学という画家が好きで。「池田学原展」を見てきました。池田学さんが講師時代や学生時代に描いていた作品を展示している個展です。出版されている画集の原画が見れたのですが、つけペンにカラーインク描いているので、色がどんどん変わってきてしまっているんです。なので、チャンスがあればたくさん原画をみておきたいです。
仕事の関係で、甲府まで高校総体の陸上競技を見に行ってきました。高校生たちが清々しかった。
…などなど。
★ 『サクラ咲く』 辻村深月 著
辻村先生の作品は、作品ごとに登場人物がリンクしている。再会のところがいい。三つの登場人物がつながっていることがおもしろくて、中高時代の自分につながる部分が多くて、共感できました。
はじめて読んだのは、中学時代に「サクラ咲く」の連載。それから高校生になって「凍りのくじら」と「ぼくのメジャースプーン」で惹かれて、辻村先生の作品が好きになった。
表題の「サクラ咲く」が一番はまって、 図書室の本にメモを挟むのが、いいなと思って、自分もまねしたくなりました。 読んでいてわくわくした。 三編がつなかっていて、読んでいるうちに気づいて、あっと思った。
自分もまじめと言われがちで、まじめといわれるとかちんと来るタイプだったので、マチちゃん感情移入しました。 図書室の手紙の秘密のつながりにあこがれた。 三編とも、「変わる」と言うことが書かれている。 後半二編失敗したけど変わることができた。最初のは出会いがあって変わることができた。失敗することはあるけれど、変わっていくことができると言うことが描かれているのが、やさしくて良いなと思った。
最後の話で、先輩が高校生になった時に別人のように輝いて、それがばれた。問い詰めた新聞部の先輩のことが、とても酷いと思う。高校に入って性格が変わる人はいるので、そういうことを言われたくない。
読者の中学生を気にして描いている。 むだな要素がなく、飽きずに読める。
最後の話、新聞部の先輩が本当に嫌なヤツで、悪役が面白い。ほかの辻村作品に比べると、ライトな感じ。三篇とも、裏山の秘密とか、タイムトラベルとか、本にはさんだ手紙とか、被写体になってほしいとか、ありがちな少女漫画チックなものを使っている。
軽いだけじゃないとおもう。 「学校はだれのものか」という呼びかけが入っていて、登場人物は、ただ青春を浪費してぐたぐだしていただけでない。オトコ向けではないけど、個人的には好き。
サクラ咲くの両思いになったところはどう思いましたか。いきなりな感じがしました。女子の妄想。あんな男子がいてほしいよね。
作品の中に、有名な本がたくさん出てくる。
過去は詮索されたくない。 学校が変わったとき、過去は触れられたくないもの。 だれも知らないところにきた人もいる。 それを無理矢理詮索して、大のオトコがデリカシーがない。そのくらい察することができなかった。 報道の自由があるとか言ってる。 スクープを新聞に載せたいって自己顕示欲だけで、すっごいやな。最後まで突き抜けて嫌なヤツ。 新聞の大義名分をかぶせている。
映画研究部の視点ですすんでいるから、最後までは描かないのかな。
「高校デビュー」という言葉があるけれど。
たとえば家では「お母さん」と呼ぶのに友だちの前では「おふくろ」と使い分けるように、家族の顔と外の顔が違うのはあることで、この本ではそれを気にしないでいいと言ってもらえた気がする。
ふれてはいけない暗黙の了解をさせない人がいる。
自分のことは建前と本音がある。
言いたいことを言えない自分が嫌だとか、やりたいことを押さえている人。そういうがんばりを見てくれるお話だと思った。
友だちというのもテーマにしているかな。
自分の隣にだれかがいないと落ち着かないことはある。一人でいるのは惨めだと思うことがあって、趣味や性格が合わないのにそういうことをするのは。
友だちはいたほうがいいのか。自分の時間を犠牲にしても価値があると思える友だちがいる人はいいなと思う。
べたべたしていればいいわけではない。物理的な距離じゃなくて、価値観とかそれが違っていても認めてくれるような人が親友なのではないか。
親友の定義って。 殺人事件を起こした時に死体の隠し場所を相談できるのが親友だと聞いたことがある。
親友として大切に思うならそんな相談しないでほしい。重荷を背負わすことになるから。
「ズッ友」は親友なのか。
自分も変わっていくから。
短い時間の中でもそのときは深かった人もいるんじゃないかな。
この本は、みんながきれいな感じ。自分の中学時代はもっとどろどろして複雑だったから、 実際、マチちゃんみたいなコがいたとき、対等に接してくれるのかなと感じた。
…などなど。
★みんなのおすすめ本。
おすすめ本を紹介しあいました。
(ここでは、タイトルの50音順)
『凍りのくじら』 辻村深月
『青春離婚』 紅玉いづき
『宵山万華鏡』 森見登美彦
『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦
大人スタッフのおすすめ本
『華氏451度』〔新訳版〕 レイ・ブラッドベリ
『願いながら、祈りながら』 乾ルカ
★本日の感想
今日は初めて参加させていただきました。
読書の感想を、今回のようにじっくり時間をとって話す事はあまりないので、楽しい貴重なひとときでした。
“友達”“親友”に対するみなさんの思いも聞けて、いろいろと考えることができました。
普段あまり辻村さんの本を読まないのでも今回読めて良かったと思いました。これを機に、辻村さんの他の本も読んでみようと思いました。
とても楽しかったです。
機会があれば、また参加したいと思います。
紹介された本は読んでみたいと思います。
自分の好きな本の事について思う存分話せて楽しかったです。
周りに本についてこんなに語れる友人はなかなかいないので、このような機会は本当に貴重だと思いました。
また都合があえば参加資格がある限り参加したいです。
ほんとうにありがとうございました。
今回の大人スタッフは、モグタン(YA読書クラブ世話人)、ありりん(YA読書クラブ世話人)の2名でした。
文責・梨屋アリエ